Synology NASのRAID1でHDDが劣化し、現地交換と再構築を行った対応事例の概要
Synology NASでHDD劣化が発生し、HDD交換・RAID再構築を実施。DSMで「正常」表示を確認しました。

会社のファイルを保存しているNASでHDDの劣化が発生すると、どのディスクを交換すべきか、業務データを守りながら対応できるかが気になるものです。

今回は、Synology社製のNASで、RAID1構成のHDDに劣化があり、現地でディスク交換とRAID再構築を行った事例を紹介します。作業記録で確認できる結果と、まだ確認できていない内容を整理してご紹介します。

今回の対応概要

ご相談内容:RAID1構成のSynology NASでHDDの劣化が発生

確認できた状況:8TB HDD×2台のRAID1構成でHDD劣化を確認

対応:現地でHDDを交換し、RAID再構築を実施

結果:作業記録でRAID再構築の完了を確認し、DSMで「正常」表示を確認。取り外したHDDのデータ消去も実施済み

依頼者の基本情報

今回の依頼者の基本情報は、以下のとおりです。

所在地埼玉県さいたま市
業種総合建設業
従業員数会社全体で700名超
相談者さいたま市内の出張所の副所長
相談内容Synology NASのRAID1でHDDが劣化し、ディスク交換・再構築を実施

会社名や個人名など、依頼者の具体的な名称は掲載していません。

RAID1構成のSynology NASでHDDの劣化が発生

対象のNASは、8TBのHDDを2台使用するRAID1構成でした。RAID1は、2台のドライブに同じデータを記録し、片方のドライブに障害が起きた場合でもデータを利用できるように備える仕組みです。ただし、RAID1があるからといって、データが失われないことを保証するものではありません。

今回の記録ではHDDの劣化が発生したことまで確認できています。どの診断値が劣化を示したか、発生原因が何だったかは記録だけでは確定できないため、推測では説明しません。

現地でHDD交換を実施し、RAID再構築を行った

現地で劣化したHDDの交換作業を実施しました。旧ドライブの型番はWD80EFPX、交換用ドライブはSynology HAT3320-8Tです。NASの機種名、交換日、交換時の具体的な操作順序は未確認のため記載を控えます。

交換後のRAID再構築は過去の作業記録で完了が確認されており、再構築後にSynologyの管理画面(DSM)で「正常」と表示されたことも確認しています。一方、その画面の保存画像や、共有ファイルの読み書き・バックアップからの復元を確認した記録は今回の資料にはありません。

今回確認できた結果:現地でHDDを交換し、RAID再構築が完了。DSMの「正常」表示を確認しました。共有ファイルの読み書き、長期間の継続運用、バックアップからの復元については確認済みの結果として扱いません。

取り外したHDDのデータ消去と廃棄予定

交換によって取り外したHDDには、MiniToolを使用してデータ消去を実施し、消去作業は完了しています。今後、廃棄業者によるHDDの物理破壊と破壊証明書の発行を依頼し、証明書をお客様へ提出する予定です。物理破壊・証明書発行・提出は、現時点では完了していません。

なお、今回確認できているのはデータ消去を実施したという作業事実です。消去方式や消去結果を検証した具体的な記録は未確認のため、復元不可能であるとまでは断定しません。

RAID1のデータ冗長性とHyper Backupによる外付けHDDバックアップの役割の違い
RAID1はHDD故障への備え、バックアップは別にデータを残すための仕組みです。

RAID1とバックアップは役割が異なる

RAID1はディスクの故障に備えてデータの冗長性を持たせる仕組みです。一方、バックアップは元の保存領域とは別の場所にデータのコピーを残し、誤削除やデータ破損などにも備えるためのものです。RAID1の片方のHDDを交換しても、それだけでバックアップが確保されたことにはなりません。

今回の環境では、SynologyのHyper Backupを利用し、外付けHDDへ毎日バックアップする運用がありました。2026年10月14日にはバックアップ履歴も確認されています。ただし、その履歴だけからバックアップの成功、データの整合性、実際に復元できることまでは判断できません。

中小企業がNAS障害後に確認しておきたいこと

HDDを交換してRAIDの再構築が終わっても、運用上は別の確認が必要です。今回の案件ですべて実施したという意味ではなく、一般的な点検項目として整理します。

確認項目確認する理由
ストレージプール・ボリュームの状態再構築後に正常な状態へ戻ったかを把握するため
HDDの健康状態と通知別の異常や劣化の兆候が残っていないか確認するため
共有ファイルの閲覧・保存業務で必要なファイルを使えるか確認するため
バックアップ実行結果・対象範囲毎日の処理が成功しているか、必要なデータが含まれるか確認するため
バックアップ整合性・復元テスト必要なデータを復元できるかを確かめるため

特に、外付けHDDへのバックアップを継続している場合でも、保存先の状態や復元方法を定期的に点検することが大切です。

今回の対応内容と確認範囲

項目内容確認状況
HDD交換劣化したHDDを現地で交換実施確認済み
RAID再構築再構築完了の作業記録あり記録確認済み
再構築後の正常表示DSM画面で「正常」と表示されたことを確認本人確認済み/画面保存資料は未取得
旧HDDのデータ消去MiniToolによる消去作業実施完了
旧HDDの物理破壊廃棄業者に依頼する予定未実施・予定
破壊証明書発行後にお客様へ提出予定未発行・未提出
バックアップHyper Backupによる毎日の外付けHDDバックアップ運用運用確認済み/復元結果は未確認

NASの保守とバックアップは、状態を確認できる運用に

NASの運用では、HDDの交換だけでなく、ストレージの健康状態、異常通知、バックアップの実行結果、復元手順を継続して把握することが重要です。今回の事例も、作業記録から確認できる範囲と、追加の確認が必要な範囲を分けて整理しました。

株式会社ITAでは、中小企業のNASやバックアップ環境について、現状の確認、点検項目の整理、必要な対応のご相談を承っています。スポットでの点検から継続的なIT顧問まで、会社の規模や運用状況に合わせてご相談いただけます。

NASのHDD劣化やバックアップ運用でお困りの方へ

ディスク交換後の確認や、毎日のバックアップが本当に役立つ状態かどうかについて、状況に応じた点検・対応をご相談いただけます。

中小企業向けIT用語辞典の紹介